「iDeCoってなに?」
「なんで節税になるの?」
「ふるさと納税とかNISAと何が違うの?」
iDeCo(イデコ)という言葉を聞いたことはあるけど具体的にどんな制度なのかよく知らない方が多いですね。
私もかつて、『iDeCo?なんか難しそうで自分には関係ないな」という印象を持っていました。
しかし、iDeCoについて勉強をしていくうちに『利用すれば年間50,000円前後の節税ができる』超お得なものだと知りました。

iDeCo?をやると本当に得するの?

人にもよるけど、iDeCoで税金が毎年50,000円以上安くなることが多いよ!
あなたの年収や職業によりますが、iDeCoをうまく使えば、毎年国に払っている税金を50000円以上も安くすることだってできるんです。
しかも、iDeCoで運用して増やした資産は税金がかからないので、儲けた分がそのまま老後の生活費に使うことができます!
iDeCo(イデコ)とはどんな制度?何の略?
iDeCo(イデコ)とは、個人型確定拠出年金の名称です。

個人型確定拠出年金…難しそうな名前が出てきたね

個人型確定拠出年金っていうと難しいそうだけど、要は自分で年金を作る仕組みだと思ってもらえたらいいよ!

自分で年金を作る!なるほど~
シンプルに言うと、iDeCoは自分で年金を作る仕組みのようなものです。
いままでは国や企業がみんなからお金を集めて年金を運用していましたが、これからはそれに加えて自分で年金をつくることもできるということですね!
ちなみに、自分で年金を作る制度はアメリカでやっているものを真似しています。
英語で「individual-type Defined Contribution pension plan」。これを日本語にすると「個人型確定拠出年金」になります。
でも個人型確定拠出年金って言いにくいですよね?
もっとたくさんの人に使ってほしいので国が英語表記を略して「iDeCo」と呼ぶようになりました。
iDeCo(イデコ)はNISA・積立NISA・ふるさと納税と何が違うの?
iDeCoは自分で節税ができる制度なので「NISA」や「ふるさと納税」と比較されます。

iDeCoとNISAとふるさと納税って何が違うの?

どの制度も節税ができる点は一緒だけど、仕組みが違うんだ!
iDeCoとNISA・積立NISAの違い
NISAと積立NISAは一定期間の投資にかかる運用益が非課税になる優遇制度です。
NISAと積立NISAの特徴 |
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運用益が非課税になる点はiDeCoと同じですね。
大きな違いは、iDeCoは年金なので60歳以上にならないと受け取りができないですが、NISA・積立NISAはいつでも売却と受け取りができます。

じゃあNISAや積立NISAの方がiDeCoよりいいの?

その代わりiDeCoは拠出したお金が所得控除になったり、非課税期間も無制限だからメリットも大きいよ!
iDeCoとふるさと納税の違い
ふるさと納税とは厳密には「納税」ではなく「寄付」をすることで、寄付の一部が所得控除になる制度です。
ふるさと納税とは?
ふるさと納税とは、ふるさとや応援したい自治体に寄附ができる制度のことです。手続きをすると、所得税や住民税の還付・控除が受けられます。多くの自治体では地域の名産品などのお礼の品も用意! 寄附金の「使い道」が指定でき、お礼の品もいただける魅力的な仕組みです。
(引用元:ふるさとチョイス)
自己負担の2000円を支払うことで、本来払うはずだった税金をお礼の品として控除してもらうことができる点が魅力ですね。
しかし、控除できる金額は所得と家族構成によって違うので注意が必要です。

所得の控除がされる点は一緒だけど、iDeCoは税金が返ってくるけどふるさと納税はお礼品で返ってくるってことか!

その通り。併用はできるけど、あくまでiDeCoをメインにしてふるさと納税はサブとして考えるのがおすすめだよ!
iDeCo(イデコ)の節税メリット
iDeCoのメリットはたくさんあるのですが、今回は私がiDeCoの良いと思えるメリットを厳選して紹介していきたいと思います!
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掛金が所得控除になる

iDeCoの掛金は所得控除になるから、所得税と地方税が安くなるんだ!
iDeCoの掛金(積み立てているお金)は所得から差し引くことができます。
例えば、企業年金のない会社に勤めるサラリーマンAさんの場合。
iDeCoで毎月2万3,000円、1年間で27万6,000円を拠出すると、この掛金の全部が「所得控除」になります。
Aさんの所得が330万円超695万円以下なら、年間で8万2,800円も税金が安くなるんです。

8万円も税金が安くなるの⁉
毎月6,000円以上ってすごい!!
運用益が非課税になる
iDeCoで運用した投資信託や定期預金の利益は非課税になります。
例えば、投資信託で60万円儲かったとしても、普通は20%の税金がかかるのでそこから12万円が引かれ、受け取れるのは48万円になりますね。
ところが、iDeCoで同じように投資信託で儲かったなら、利益の60万円はまるまる受け取ることができるんです!

同じ商品を使って運用しても、iDeCoと普通の証券口座の場合を比べると手元に残るお金に大きな差ができるんだ!

所得控除もあるし、かなり節税できそうだなぁ!
受け取るときも控除がある
iDeCoは積み立てたお金の受取時にも控除が受けられます。
iDeCoの受け取り方には2つあって、好きな方法あるいは併用ができるんです。
iDeCoの受け取り方法 |
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iDeCoを一時金で受け取る場合
iDeCoを一時金で受け取ると「退職所得控除」を受けることができます。

退職所得控除って難しそうだな…
「退職所得控除」とは会社を辞めたときの退職金を有利な税率で受け取ることができる制度です。
退職所得控除のメリット |
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少し難しいので事例で見ていきましょう。
iDeCoに加入して30年、運用した資金が2,000万円のBさんの場合
iDeCoの加入期間に応じて控除が受けられる
iDeCoの加入年数1年あたり、40万円。20年を超えると1年あたり70万が控除額になります。
20年×40万円=800万円と10年×70万円=700万円の合計1500万が所得控除となるんですね。iDeCoを受け取る2,000万円のうち1,500万円は税金がかかりません。
控除からオーバーした分は税金計算を半分にできる
BさんはiDeCoの2,000万円から所得控除された500万円が課税対象になりますが、「退職所得控除」の場合は500万円を半分にした250万で税金計算をすることになっています。
分離課税で他の所得と合算しないで料率計算ができる
BさんがiDeCoの他に所得として500万円をもらったとしましょう。
普通なら500万円+250万円=750万円となり、所得税は23%となるわけですが、これを別々に計算することができます。
つまり、500万円の所得に20%の所得税が。250万円のiDeCoに10%の所得税がかかることになります。
分離課税でない場合:750万円×23%=172万5,000円の所得税
分離課税の場合:①500万円×20%=100万円 ②250万円×10%=25万円 合計125万円の所得税 ⇒47万5,000円の所得税控除になる |

シンプルに言うと、iDeCoを一括して受け取った分は税金が安くなると覚えておけばいいよ。
iDeCoを年金で受け取る場合
iDeCoを年金で受け取る場合は、「公的年金控除」の対象になります。

むむ。また難しそうな言葉が出てきた!
「公的年金控除」とは、年金として受け取った収入は一定額まで控除して税金がかかる制度です。
下の図は国税庁の公的年金控除の早見表です。
例えば、65歳未満の人が国民年金とiDeCoの合計で年間350万円をもらっていたとします。
その場合、(b)割合は75%。(c)控除額は375,000円になりますね。
3,500,000円×75%-375,000円=2,250,000円 |
通常の収入なら全額に所得税がかかるところ、iDeCoは受け取るときに公的年金控除を使えるので税金が安くなります。
iDeCo限定の低コスト投資信託がある

他にもiDeCoでしか変えない低コストの投資信託があるので、実はiDeCoで資産運用をするのが1番儲かりやすいんですね。
iDeCoには元本保証型の商品もある
さらにiDeCoには、NISAにはない元本保証型の商品もあります。
具体的には、「定期預金」や「確定拠出年金保険」といった商品のことですね。
NISAや積立NISAは投資が前提の制度なので株式や投資信託が対象ですが、iDeCoは年金制度なので元本保証型の商品もラインナップに入っています。

定期預金があるなら安心だね!

投資が怖くて嫌だ!ってときは元本保証の商品を選ぶといいと思うよ!
iDeCoは運用益だけでなく掛け金が所得控除になるので、運用益非課税メリットが小さい定期預金や保険でもiDeCoを使うメリットは大いにあると思います!
iDeCo(イデコ)のデメリット
iDeCoをやると税金がとても安くなるし、運用益の非課税や受取時の控除もありますが、その反面、iDeCoのデメリットもあります。
わたしはiDeCoを始めて利益も出ていますが、iDeCoをやって損をしてしまう人もいると思いますので、以下のデメリットはしっかりと確認しておきましょう!
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iDeCoは元本割れのリスクがある?
iDeCoはあなたの運用次第で掛金が減ってしまう場合があります。
例えば、iDeCoで年間50万円を投資信託で運用していた場合に、投資信託の価格が下がれば40万円に資産が減ってしまうことがあるんですね。

iDeCoは確実に儲かるのかと思ってたけど違うんだ…

もちろん投資だから一時的に損失が出る場合もあるよ。けど、所得控除で節税ができているから他の運用方法よりも損は出にくいんだ。
iDeCoで元本保証型の商品を選ばないのであれば、投資した商品の値下がりによってあなたの資産が減ってしまうことがあるのです。
「どうしても損をしなくない!」
という人は元本保証型の商品や債券中心にiDeCoを運用するほうがいいかもしれませんね。
ただ、iDeCoは10年以上の長い期間で積立運用をするため、一時的に損失がでても次第に回復することも大いにあるので、過度に元本割れを心配する必要はないでしょう!
iDeCoは60歳になるまで引き出せない
iDeCoは原則、60歳を超えないと受け取ることができません。
なので毎月の生活費が足りなくて苦しくても、iDeCoを解約して現金を用意することはできないので注意しましょう。

じゃあ今すぐお金が必要でもiDeCoは使えないってこと?

すぐに現金が必要ならNISAや積立NISAを解約したほうがいいね。
ただし、NISAや積立NISAも途中で解約するとその年の非課税枠を使えなくなってしまいます。
もし生活費が不足して辛い、という人は支出を見直したり副業などで収入を増やすことを考えるべきでしょう。
iDeCoの拠出額を減らすのは将来的な利益を捨ててしまうことになるのでやめたほうがいいですね。
iDeCoは運用中に手数料がかかる
iDeCoは運用をするときに手数料が発生します。
しかも、この手数料はiDeCoで使う証券会社や投資信託の種類によって変わるんです。
iDeCoの手数料 |
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手数料の種類がたくさんあって難しいな…

基本的には4.の口座管理手数料と5.の信託報酬手数料をチェックすればいいよ!
iDeCoは国民年金と違って自分で運用する金融機関と投資信託を選ぶ必要があります。
ですので、手数料がなるべく安いものを選ばないと知らず知らずのうちに無駄なお金を払うことになってしまうんです。
iDeCoを使うとふるさと納税の額が減ってしまう?
iDeCoを使うと年間の所得税と地方税が安くなるため、ふるさと納税の控除額が少なくなる場合があります。
ふるさと納税を使うときは、iDeCoで控除をした後の所得額を計算していくら寄付するのかを決めましょう。

ふるさと納税をたくさん使いたいからiDeCoを減らした方がいいの?

節税パワーはiDeCoの方がふるさと納税よりもずっと強力だよ!まずiDeCoをやるのを優先したほうがいいね。
ただし、iDeCoで所得控除されても、ふるさと納税の金額は小額しか少なくなりません。
それよりもiDeCoの節税メリットを利用したほうが最終的にはお得になるでしょう!
iDeCo(イデコ)の加入条件は?|正社員じゃなくても始められる?

実は正社員じゃないんだけど、iDeCoは始められる?

iDeCoの加入できる人の範囲が広くなったから大丈夫だよ!
最近の法改正によって、iDeCoは日本人の過半数が加入対象者になります。
原則として、20歳以上の成人はiDeCoの加入資格があるので覚えておきましょう!
改正前は加入ができなかった公務員や専業主婦(主夫)もiDeCoを利用できるので、正社員じゃなくてもiDeCoに加入できるか一度チェックをしてみてくださいね!
iDeCoに加入できない人は?
あまり多くはないですが、iDeCoに加入できない人もいます。
iDeCoに加入できない人 |
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特にややこしいのが、企業年金に加入している会社員の場合はiDeCoに加入できない場合があります。
もしあなたが、企業年金に加入していてもいくつかの条件を満たしていればiDeCoを利用できます。
具体的には、
- iDeCoへの加入を認めるという会社の規約(ルール)
- マッチング拠出制度がないこと
- 事業主掛金が月額3万5,000円以下であること
です。
もし会社勤めをされている人でiDeCoに加入したい場合は、会社の年金担当者に確認をしたほうがいいですね。
iDeCo(イデコ)の節税シュミレーション

ずばり聞くけど、iDeCoを使うとどれだけ節税できるの?もちろん投資で儲かる分も加味した上で教えて!

そうだね。じゃあ節税額を具体的に計算してみよう!
結局のところiDeCoでどのくらい節税ができるのか想像できないという人も多いかと思います。
そこで、今回はiDeCoを利用したときの節税額のシュミレーションをしてみたいと思います。
iDeCoで節税できる所得税はその年の収入によって変わるので、より具体的なシュミレーションがしたい人は「iDeCoシミュレーション」で調べてみてください!
iDeCoをフリーランスが使った節税額!
フリーランスや自営業者は国民年金の第1号被保険者に該当します。
フリーランスがiDeCoを使った場合は月額6万8000円。年間81万6,000円が掛金の上限になるんです。
ですので、81万6,000円に所得税と地方税を掛けた金額が控除になります。
課税所得が500万円のフリーランスAさんの場合
所得税が20%、住民税が10%になるため、81万6,000円×30%=24万4,800円が節税額になる

フリーランスや自営業の人は拠出額の上限が高いから節税額も大きくなるんだよね。

なるほどね。フリーランスになったらiDeCoを始めないともったいない!
iDeCoを公務員が使った節税額!
学校職員や区役所の職員のような公務員もiDeCoで節税ができます。
ちなみに、公務員の人は第2号被保険者に該当しますよ。
公務員の人がiDeCoを使うと、月額1万2,000円。年額14万4,000円が掛金の上限になるんですね。
課税所得が300万円の公務員Bさんの場合
所得税が10%、住民税も10%なので、14万4,000円×20%=2万8,800円が節税額になる

公務員でも節税ができるなんてすごいなぁ!

副業ができない公務員こそ、iDeCoで賢く節税しないとね!
iDeCoを専業主婦(主夫)が使った節税額!
専業主婦(主夫)の人も新たにiDeCoで節税ができるようになりました。
専業主婦(主夫)は第3号被保険者に該当します。
掛金の上限は月額2万3,000円。年額27万6,000円になるんですね。
課税所得が100万円の専業主婦Cさんの場合
所得税が5%、地方税が10%のため、27万6,000円×15%=4万1,400円が節税額になる

すごい!毎月3000円以上も節約できるね‼

パートの収入だけでも大きい金額の節税できるんだよ!
iDeCoを会社員が使った節税額!
会社員もiDeCoを使って節税ができますが、勤めている会社の企業年金に加入しているかで拠出額の上限が変わります。
勤務先で企業年金に加入している場合
サラリーマンの人が勤務先で企業年金に加入している場合は、拠出額の上限は月額2万円、年額24万円です。
課税所得が1,000万円の会社員Dさんの場合
所得税が33%、地方税が10%のため、24万円×43%=10万3,200円が節税額になる

すごい節税額になるんだね!

所得が多い人ほど税率も高くなるから、iDeCoの節税効果が高いんだ。
会社役員の人でも同じようにiDeCoで節税ができます。
収入が多い人ほど所得税が高くなるのでiDeCoを使うと大きな節税ができるということですね!
勤務先で企業年金に加入していない場合
勤務先の企業年金に加入していない場合は、年間の掛金は月額2万3,000円、年額27万6,000円が上限になります。
専業主婦(主夫)のケースと同じですね。
iDeCoの加入手続きはこれだけ!

iDeCoを使うとお得に節税できるのは嬉しいなぁ。どうやったらiDeCoを始められるの?

じゃあ加入の手順をざっくり説明するね!
iDeCoの加入手続きは以下の流れです。
*会社員、公務員の場合は勤めている会社や役所に証明書を発行してもらう必要がある |
iDeCoに加入する方法は以上の4ステップで完了です!
書類の記入の仕方が難しくて自信がない人は金融機関のコールセンターに事前に確認をするといいでしょう。
当サイトがおすすめしているマネックス証券のiDeCoだと、土曜日の9:00から17:00まで電話での問い合わせができるので、平日忙しい人でも申し込みが簡単にできますよ!
まとめ
iDeCoとはどういった制度なのかをザッとまとめさせていただきました!長々とお話させていただきましたが、いかがでしたでしょうか?

難しくて自分には関係ないと思っていたけど、意外とお得だしボクでもチャレンジできそう!

よかった!iDeCoって意外と難しくないし、加入も簡単にできるよ!
これまで「iDeCoって難しそう!」と思っていた人もいるかと思います。実際、わたしも勉強するまでiDeCoが何かもよく分かっていませんでした。
しかし、iDeCoは知っておくと非常にお得な制度ですし、誰でも簡単に加入ができるんですね。
iDeCoを使うと誰でも月3000円以上は節税ができますし、運用がうまくいった人は更に資産を増やすことができます。iDeCoは知らない人が損をする仕組みなので、ぜひこの機会に、あなたもiDeCoにチャレンジしてみてくださいね!