こんにちは。シロガネです。
当記事では2018年8月に出版された『世界最強のエコノミストが教える お金を増やす一番知的なやり方 賢明なる投資家のためのパーソナル・ファイナンス読本』のレビューを紹介していきます。
英国政府から、証券市場改革案を委託されるような権威あるエコノミストが執筆した
一般の人向けの資産運用ガイド!「お金の事を考えるのは面倒なので最低限にしたけど、老後や子供の教育費などに備えて安心して資産を運用したい」
という人に、高い手数料を払わず、自ら手掛ける「DIY投資」で、年率6%程度のリターンを目指す方法を指南する。
というあらすじの通り、世界レベルの資産運用の知識を身に着けたい人にはおすすめの本です。
325ページとボリュームがあり、ところどころ専門的な言葉もあるため資産運用の中級者向けの内容だと思います。
しかし、解説されている「DIY投資」は非常に理にかなった誰でも高いリターンを狙える投資手法なので読んでおいて損はないでしょう。
シロガネは資産運用歴3年ほどなので、まだまだ知らないことが多く非常に勉強になりました!
それでは解説していきますね!
この本をザックリ説明すると… |
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”賢明な投資家”の原則は「低コスト」「分散投資」「逆張り」
賢明なる投資家にふさわしい実践的な投資戦略へと筆を進めていく。基本原則は、「なるべく手数料を払わない」「なるべく分散する」「横並び思考に逆らう」の3つ。
この本は特定の金融商品をおすすめするというよりは、どんな状況でも年6~8%のリターンを出せる”賢明な投資家”になるための方法を解説しています。
その基本原則が、
- なるべく手数料を払わない
- なるべく分散する
- 横並び思考に逆らう
ですね。
なるべく手数料を払わない
投資リターンを高めたいなら、一番リスクの小さい方法は金融機関に払うコストを最小限にとどめることだ。投資の儲けが誰か別の人の懐ではなく、確実に自分の懐に入るようにするのだ。投資の経費は非常に大きな影響をもつため、経費の構造を理解することは、投資分析の原則を理解するのと同じくらい重要である。
最近は日本でも金融商品の低コスト化は進んでいますが、まだまだ高い手数料を顧客に売り込んで儲けようとする金融機関が多いのも事実ですね。
年6~8%のリターンを目指す場合、手数料で2%~3%を支払ってしまうと実質的な目標利回りが10%を超えてしまいます。
毎年コンスタントに10%の利回りを目指すのは難しいですが、きちんと商品を選べば手数料を年1%以下に抑えることは誰でもできます。
人の懐ではなく、自分の懐にお金が入るように商品を選ぶようにしましょう。
関連記事:銀行で投資信託を買う顧客の50%が含み損。証券会社で買うと70%が儲かっているらしいです
なるべく分散する
1つの投資先・地区・時間に集中しないでなるべく分散するのがリスクを下げる確実な方法ですね。
そして、個人的に1番大切なのは「時間」だと思います。
手堅い投資家は、リスクとは短期的なリターンの振幅だと思っているが、賢明なる投資家のリスク概念は異なる。 あなたのリスクとは、あなたの現実的な目標を、あなたが達成できないことである。 あなたの投資戦略は、あなたの長期的な投資目標によって決まる。そして時間軸が長ければ長いほど、満足のいくリスク・リターン関係を達成できる確率は高くなる。
投資した商品が一時的に値下がりすることは重要ではなく、長期的な期間で目標に達成できるか。そして投資の期間が長ければ長いほど成功する確率があがるんですね。
短期間で資産を倍にしようとすると大きなリスクを背負う必要がありますが、20~30年の期間で資産を増やすと考えるなら一時的な損益は気にならなくなります。
シロガネも基本的に長期での投資スタンスなので投資先が値下がりしても淡々と運用を続けています。
関連記事:ひふみ投信の利回りが不調!|これから始めて大丈夫なのか解説します
ロボアドバイザーのWealthNavi(ウェルスナビ)やTHEO(テオ)も長期投資を前提とした商品ですね。
関連記事:ロボアドバイザーの運用実績を比較。損失が出ています…|ウェルスナビ・テオ・楽ラップ【2018年9月1週目】
横並び思考に逆らう
金融業界の専門知識を活用するには、彼らの勧めの逆を行くのが一番だ。専門知識なんて無駄だからではない。専門知識は「織り込み済み」だし、その性格上、客観的に正当化できる以上に「織り込み済み」だからなのだ。 私自身の投資の歴史で最大の過ちは、群衆が正しい方向に向かっているときにその後を追ったことだった。たとえば2006年には、市場心理が割安な資産クラスだと見なしていた欧州の不動産を買った。 たとえ群衆がファンダメンタル・バリューを正しく判断している(このケースはそうだったと思う) 場合でも、その流行はもう「織り込み済み」だ。 流行が過ぎ去るとともに、あなたが投資したお金の一部も去っていくだろう
個人投資家は売買のタイミングを図ると大体失敗するので注意しましょう。
相場を左右する情報は
・金融機関のトレーダー
・ファンドマネジャー
・金融機関のマーケティング担当
・ニュース記者
・個人投資家
の順番でやって来るので情報を聞いてから売買をしてもタイミングが遅れていて損する。— シロガネ@外資IT企業セールス&投資系YouTuber(金融資産1,500万円) (@shirogane06) September 9, 2018
人気の金融商品や耳寄りな情報はあなたの所に来た時点ですでに遅いってことですね。価格はそういった情報を織り込み済みで値上がりしているので高値つかみをする可能性が高いでしょう。
トレンドの商品に大金を突っ込むより、堅実な商品をコツコツ買い続けるのが大切ですね。
売買のタイミングは考えない
ドルコスト平均の効果から分かる通り、賢明なる投資家にとって、低い株価は問題どころか好機そのものだ。手堅い投資家はふつう、相場が上がっていると聞くとワクワクし、下がったと聞くと肩を落とす。バフェットが折にふれて指摘する通り、これはおかしなことだ。お気に入りのお店でセールが始まったり、自動車ディーラーが値下げしたと聞くと、われわれは喜ぶ。自分が売り手のときには高値を望むが、買い手のときには安値を望む。
私たち一般投資家は情報の面で出遅れているという前提に立つといつ投資するかのタイミングは考えない方がいいでしょう。
むしろ相場がどんな状況でも同じ金額を定期的に買い続ける「ドルコスト平均法」の手法を使う方が賢明です。
価格が下がったときに多くの数量を買えて、価格が上がったら少ない数量を買うことができるのでリスクが少なくなります。
「ドルコスト平均法」については「【初心者向け】投資信託のおすすめ商品と選び方を解説|運用実績も公開中」で詳しく解説しています。
ちなみにドルコスト平均法の欠点として、定期的に買い続けると買付手数料が高くなることがありますが、楽天証券 やSBI証券 で買付手数料が無料の投資信託を選べば大丈夫です。
ロボアドバイザーのWealthNavi(ウェルスナビ)やTHEO(テオ)も手数料無料で自動積み立てのサービスがありますよ!
賢明な投資家はどんな商品を買うべき?|基本は「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF」と「ブラックロック・グローバル・インデックス・ボンド・ファンド」
じゃあ賢明な投資家になるためにはどんな商品を買えばいいのか?
この本では「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF」と「ブラックロック・グローバル・インデックス・ボンド・ファンド」を勧めています。
堅い投資家は、2万ポンドもあれば、こうした機関投資家のポートフォリオを簡単かつ安価に複製することができる。 まず第2章で説明した3つの巨大投資家、ノルウェー石油基金、オランダの主要年金基金、カリフォルニア州職員退職年金基金(CalPERS) の平均的な資産配分を当てはめるところから始めてみよう。1万ユーロを世界の株式に、7000ユーロを債券に、1500ユーロを不動産に投資する。残り1500ユーロは現金で保有するか、ちょっと遊び心を出して、興味を持った他の投資にあててみてもいい。 株式の1万ユーロは「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF」に投資すればいい。これであなたはアップル、エクソン・モービル、マイクロソフトの株主だ。米国企業以外だと、最も多く保有しているのはネスレと、やはりスイスに本社がある医薬品企業ノバルティス。ほかにもソニー、BMW、HSBCの株もいくらか手に入れた。投資したのは全部で7000社と、ノルウェーの基金並みだ。わずか1万ユーロで! 手数料率は年0・17%で。 債券にあてる7000ユーロのうち、5000ユーロは「ブラックロック・グローバル・インデックス・ボンド・ファンド」に投資しよう。このうち 40%は米国政府に、 16%は日本政府に貸したことになる。ドイツに貸したのはわずか6%。堅実なドイツ人はあまり借金をしないからだ。年限で見ると、短期から長期の債券まで、ほぼ等分に投資されている。 7000ユーロのうち、2000ユーロは物価連動国債に振り向けることにする。これもブラックロックかバンガードのファンドを使えば、物価連動国債を発行している国々(主に米国と英国) に分散投資することができる。
どちらのETFも経費率が0.1%台の低コストで運用できる商品です。
- バンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT):世界の株式市場へ投資
- ブラックロック・グローバル・インデックス・ボンド・ファンド(LX):世界中の債券へ投資
上記2つのインデックスファンドに投資をすれば基本原則の「低コスト」「分散投資」を満たすことができます。
あとは慣れてきたら他のETFや不動産連動型投資信託(REIT)に投資をして徐々に自分のポートフォリオを作っていくといいですね。
ETFの買い方は少し難しいですがSBI証券 で買うのがおすすめです。
為替手数料と購入手数料が安いので海外ETF用の口座を開設しましょう。
>SBI証券 で口座開設をする
ETFの具体的な買い方については「【超保存版】SBI証券で海外ETFの買い方まとめ|イチバン得する手順も紹介!」をどうぞ!
書評まとめ
『世界最強のエコノミストが教える お金を増やす一番知的なやり方 賢明なる投資家のためのパーソナル・ファイナンス読本』のレビューを解説してきました。
少し長く、途中に専門用語もあるので資産運用の中級者向けの内容ですがグローバルスタンダードの投資法をしっかり学ぶことができました。
この本を読んでSBI証券 でETFに積み立て投資をするだけで高いレベルの資産運用ができてしまいますね。
「本を読んでみたけどやっぱりETFを買うのは難しい!」
と思った人はWealthNavi(ウェルスナビ)かTHEO(テオ)を使うのがおすすめです。
どちらも完全ほったらかしでETFに投資をしてくれるので簡単にプロの資産運用ができるようになります。
1万円~10万円から運用が始められるのでサクッと資産運用をやりたい人はぜひどうぞ!
>WealthNavi(ウェルスナビ)の公式サイトを見る
>THEO(テオ)の公式サイトを見る
もっと簡単に資産を勉強したいならこちらの本がおすすめです
『世界最強のエコノミストが教える お金を増やす一番知的なやり方 賢明なる投資家のためのパーソナル・ファイナンス読本』は初心者向けの本ではないので、もっと簡単に資産運用が学べる本も紹介しておきますね!
『コミックでわかる 20代から1500万円!積み立て投資でお金をふやす』 は漫画で資産運用を学べる良書です。
10分~15分程度で読めるんですが、資産運用の大切なポイントは網羅できるのでおすすめですよ!
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