はじめに
今回はこちらの記事を参考にお話させて頂きます。
サマリーは下記の内容になります。
- 百貨店業界は苦戦が続いている
- 問題は”オーバースペック”
百貨店の苦戦
百貨店業界の苦戦は頻繁に言われています。
簡単に言うと、百貨店全体の売上高はピーク時の60%程度に縮小しています。
その要因としてよく言われることは、
- ネット通販の拡大
- カテゴリーキラーの登場
- デフレによる消費者の低価格志向
になります。
カテゴリーキラーとはしまむらやユニクロ、ニトリや西松屋といった、特定のカテゴリーにおいて突出した価格と商品戦略を持つ業態のことです。
私の考える問題点
おそらく、百貨店業界が苦戦している理由はすごく複雑でいろいろな要因が絡まっていると思います。
業界全体の問題点や特定の店舗だけの問題点まで膨大にあると思います。
ここでは、私の考える問題点についてお話していきます。
私が百貨店業界における大きな問題点としては”オーバースペック”という点にあると思います。
ここでいるオーバースペックとは、「商品を購入するためのコストが、ほかの企業よりも不要に高い」ことを指します。
簡単に言うと、「無駄が多い」という点です。
百貨店という業態は、根本的に商品の価格が高いです。
その理由は、
- 売上金額に対して過剰な店員数と接客サービスによる経費高
- 売り場効率が悪い
- 委託取引がメインのため、メーカーから非常に高い原価で仕入れをしている
です。
過剰な店員数と接客サービス
1店舗当たり2人以上は常駐している店員ですが、百貨店の平日の客数などたかがしれております。
通常のブランドは平日1枚も商品が売れないこともざらにあります。
入店してきたお客さんにも、暇なのですぐ声をかけて過剰な接客も発生します。
これでは、商品を販売するための経費が膨大になります。
委託取引メインの問題点
委託取引とは、メーカーから商品を仕入れる際にする契約の一つです。
買取契約とは異なり、商品が実際に売れなかった場合はメーカーに返品をしてもいいというものです。
委託契約は百貨店業界の慣習になっていますが、メーカーはどの程度の数量返品されるか不透明のため、返品されてきても損がでないように仕入れ価格を引き上げます。
百貨店側も、先ほどの経費高の影響で販売価格を仕入れ価格に対して高く設定する必要があります。
このような二重の価格引き上げにより、百貨店は異常に商品価格が高くなる、という現象が発生します。
今までは、「百貨店だから高くても仕方のない」と店側も消費者も思い込んでいましたが、カテゴリーキラーの登場でその状況は一変しました。
洋服一枚当たりの相場が認識され、Tシャツ1枚に1万円を出すことがおかしいことに消費者が気付いたのです。
一時的に海外のお客さんの流入でごまかせていましたが、それが減少し始めた現在、今までのような価格で商品が売れなくなるのが明白になります。
商品が売れない⇒セールで値下げをする必要がある⇒シーズンの最初は価格をもっと高くして利益を取る必要がある⇒また価格が上がる
というさらなる悪循環が発生します。
これでは、客数が少ない店舗を即時閉鎖していくことも仕方のないと思います。
さいごに
百貨店業界は特に、商品の仕入れ価格に対して販売価格を高くしていました。
しかし、ネットやカテゴリーキラーの登場により、消費者が知識をつけ、適正価格が市場に明白になっています。
今後は、商品に対する価格のつけ方(プライシング)をどのようにしていくのか、銀座シックスのようにテナントを収入の柱にしていくのか、など業界の動きが変わってくると思います。
ご一読ありがとうございました。