はじめに
本日はこちらの記事を参考にお話をさせていただきます。
記事の要約は下記の内容になります。
- ファストファッションの新企業の台頭が既存のブランドを脅かしている
- その特徴は既存のブランドよりもはるかに早い生産リードタイム
- ZARAの戦略も踏襲している点にも強みがある
ファストファッションとは
ファストファッションとは簡単にいうと、従来よりも早い生産期間でトレンド商品を店頭に並べるアパレルブランドを指します。
ここでは、百貨店などにおいているブランドとZARAなどのブランドを比較するとわかりやすいです。
従来のファッションブランド:生産期間は半年から一年以上
ZARAなどのファストファッション:5週間前後
ファッションのトレンドはある意味”何が売れるかわからない”、不確定な要素が大きいものです。
それに対する戦略の違いがあります。
従来ブランド:1年以上前から展示会⇒トレンド構築⇒半年以上かけて生産⇒店頭展開⇒値下げセール(複数回)
ファストファッション:情報収集⇒テスト生産⇒テスト店頭販売⇒反応を見て、5週間程度で再生産⇒セール(少ない)
ZARAに代表されるファストファッションブランドは、生産拠点を販売する地域に近づけること、または航空便をフル活用することで生産期間を大きく短縮します。
店頭でまずテストをしてデータを収集し、反応を見て、その短い生産期間を生かして売れるものを集中展開するビジネスモデルです。
従来のファッションブランドが、トレンドを外すことや値下げセールが複数回あることで消費者からの支持を失い、ファストファッションが日本で優位に立っている要因になります。
さらに進化したファストファッションブランド
ZARAやH&Mのようなファストファッションブランドが台頭していく中で、さらに新しいファッションブランドが誕生しています。
こちらはASOS(エイソス)というイギリスのオンラインファッションブランドです。
日本円で1300億円の売り上げもある、非常に勢いのあるブランドです。
特にこちらのブランドの特徴は、製品の生産スピードの速さです。
記事によりますと、
「レポートによると、ASOSの場合、製品の発案から販売までにかかるのは2〜8週間。boohooの場合は2週間、Missguidedに至ってはわずか1週間だという。この速さは、かつてはスピーディーとされたZARAの5週間を上回り、H&Mの6カ月をはるかにしのぐ。
「ファストファッションは、今やウルトラファストファッションになりつつある」とレポートには書かれている。これはZARAやH&Mのような企業にとって問題だ。ZARAやH&Mの成功は、このユニークなビジネスモデルを土台として築かれていたからだ。」
圧倒的な生産スピードで他を駆逐してきたファストファッションを、今度はそれを上回るスピードで攻め立てるウルトラファッションブランドの構図になってきています。
新興ブランドの強みとは
ご紹介したウルトラファッションブランドの強みとして、
- 企画から生産、販売までのスピードの圧倒的な短縮
- オンライン店舗で次々新作をリリースして顧客の利用頻度を高める
- オンラインでテストをしてみて、売れた商品を本格展開する
これらは従来のアパレル企業には少なかった動きです。
何より、これらのブランドの主戦場はオンラインであり、ある意味顧客の情報を一括して入手できる点が大きなアドバンテージになります。
また、boohooは製品の調達をイギリス(本国)から50%以上仕入れており、生産工場のコントロールや発送手配の迅速化など、ZARAの成功要因を取り入れていることも非常に優れていると思います。
ちょっとしたデザインの修正や打ち合わせも、目の届く場所に工場があればすぐ対応ができますのでメリットが大きいのです。
その反面、運送費などのコストは高くつきますが、これらのファストファッションブランドはセールによる値下げを極力発生させない(プロパーで販売する)ので利益が予測しやすく、残しやすい側面があります。
さいごに
記事でご説明させていただいた、新興オンラインファッションブランドの台頭は、アパレル業界の流れを非常に反映していると思います。
バブル期に高価格なハイファッションブランドが持ち上げられ、デフレで安いファストファッションが市場を席捲しました。
しかし、現在の消費者はある意味”安くてトレンドなのは当たり前”という認識でいるため、ファストファッションブランドも陳腐化しています。
そこで、オンラインで新しい商品が次々展開され、個人のデータからおすすめ商品を見つけてくれ、すぐ手元に届くオンラインブランドが伸びてきているのは当然かもしれません。
こうした流れは良い面も悪い面もあると思いますが、最も重要なのはその流れに乗れない企業は淘汰されてしまうという事実でしょう。
以上です。
ご一読いただき、ありがとうございます。