働き方① モデル無き時代をどう前向きに生き抜くか

 

はじめに

今回はこちらの記事を参考にお話をさせて頂きます。

不安な個人、立ちすくむ国家 ~モデル無き時代をどう前向きに生き抜くか~

経産省の次官・若手プロジェクトのまとめた文書です。

http://www.meti.go.jp/committee/summary/eic0009/pdf/020_02_00.pdf

 

こちらの文書は非常に示唆に富んだものなので、是非ご一読ください。

 

簡単な内容としては、

  1. 社会情勢が変化し、すべての国民が不安を抱えて生きている
  2. 従来の「成功パターン」が当てはまらなくなってきている
  3. 国のシステムが制度疲労を起こしている
  4. シルバー民主主義から、子供への投資を最優先にすべき
  5. 2025年には団塊の世代の大半が75歳以上になり、制度を変えるのは今しかない

 

このような形になります。

 

前提が変わったことについて

ここでいう前提とは何か?

私は「人生が100年間ある人が大多数になる」ことが新たな前提になったと考えております。

このことに関する有名な書籍も合わせて紹介します。

 著者は、平均寿命が毎年2年ずつ延びており、それに合わせたライフプランを考える必要があると述べています。

 

従来の20歳までは教育⇒60歳まで働く⇒定年後ゆっくり過ごす⇒80歳くらいで亡くなるという流れが変わったと指摘されています。

そして、20歳から80歳まで同じ企業に勤めることは現実的でないとし、企業や副業、再教育や子育てに専念するといったマルチステージのライフプランを考える必要があると述べています。

 

私たちは、100年間生きることを前提として、自分の生き方・働き方を考える必要がまずあります。

 

個人の選択をゆがめている日本社会システムと価値観

100年人生を前提に、マルチステージでの働き方を考える際に、日本の現状の仕組みがそれを拒んでいると指摘されています。

なぜなら、現在のシステムが高度成長期の真っただ中の1960年代の日本社会を前提に作られているからです。

新卒一括採用で就職したサラリーマンと専業主婦の家庭で定年後は年金暮らしという流れを「昭和の人生すごろく」と表現していますが、この実現率が大幅に下がっています。

前提が変わったのにも関わらずシステムが変わらなければ、制度不良や矛盾が発生するのは当然ですね。

 

また、昭和の標準モデルが唯一の正解とし、それに外れることは間違いと考える人たちの価値観も問題です。

田中俊之さんが著書『男はつらいよ』でも述べていますが、男性が平日の昼間に子供と公園にいると怪しまれたり、中年で仕事をしていないとリストラされたと先入観で思われたり、と固定された価値観から嫌な思いをされている方も多いみたいです。

 

 以前、セミナーで田中俊之さんが「日本はすぐに自己責任論を持ち出す。仕事をやめたり、離婚したりすることは本人の責任だから辛い思いをするのは当然だと考える」と述べていました。

 

先程の新しい前提をもとに、人生の中でいくつかのステージをプランニングする生き方・働き方が求められているのにも関わらず、「昭和の標準モデル」を前提にした制度と、それを当然と考える価値観が、多様な生き方をしようとする個人の選択を阻害していると指摘されています。

 

母子家庭への「自己責任論」と貧困のループ

また、別の問題として、母子家庭の貧困率の高さも問題になっています。

日本は先進国の中で、母子家庭の貧困率が60%と突出して高いと指摘されています。

 

なぜなら、日本の社会システムは母子家庭など存在しない(とは言っては言い過ぎですが)くらいの前提になっていますので、セーフティーネットがほとんど存在しません。

税金を再配分することで社会福祉制度は成り立っていますが、その恩恵を受けているのはほとんど高齢者です。

 

離婚して母子家庭になったのは本人が悪い。それよりも大多数の高齢者(=有権者)に福祉を充実させる方が正しい」日本社会システムなので、一度貧困に陥るとそのループから抜け出すことが困難になります。

 

母子家庭は日本の社会の制度不良の縮図であり、その根本には先程申し上げた「旧来のシステム」と「古い価値観」があります。

 

多様な人生にあてはまる共通目標をしめすことが出来ない政府

かつての「昭和の標準モデル」が人生の幸せだと考えている価値観は、もはやみんなの幸せではなくなってきています。

 

また、経済成長=国民の幸せという価値基準も正しいと言えなくなってきています。

これは、企業に勤める若者が出世や昇進よりも、自由な時間や転勤のない職場環境を望んでいることに似ています。

「会社の業績がアップすれば、みんなの幸せのレールに乗れるので、自分の時間を犠牲にして働きましょう」という考え方が長時間労働を生み出し、若者を不幸にしていることと同じです。

 

幸せの尺度はみんな違い、政府が決めることではないとまず考え始めるのがスタートになります。

 

抜本的な改革とその方向性について

従来の成功パターンを前提としたシステムと価値観が根底にあり、日本の改革を阻害していると指摘されています。

しかし、2025年には団塊の世代の大半が75歳以上になり、制度不良はさらに深刻で取り返しのつかない状態になります。

そこで、今までのシステムと価値観を変える指針を示しています。

 

  1. 一律に高齢者=弱者とみなす社会保障をやめ、働ける限り貢献する社会に
  2. 子供や教育への投資を財政における最優先課題に
  3. 「公」の課題をすべてが官が担うのではなく、意欲と能力のある個人が担い手になる

以上が今後の方向性になります。

 

特に2.の子供や教育への投資を最優先にする。こちらは即座に実行すべき課題だと思います。

 

現在は「たくさんいる高齢者を若者が支える」仕組みになっていますが、これを「たくさんいる高齢者が子供を支える」仕組みに変換するのです。

 

少子高齢化で子供の数が減っているからこそ、従来の学校教育ではなく、柔軟に変化する時代に対応できるようなスキルを身に着けてもらい、失敗しても再挑戦できるようなセーフティーネットを構築すべきです。

 

さいごに

これまでお話ししたように、私たちは従来の成功パターンと価値観を変え、100年生きる社会を生き抜くシステムと考え方を作っていく必要があります。

 

社会制度は政府の仕事だから、変えるのは難しいと考えず、個々人がまず価値観を変えることがスタートラインになります。

 

みんなの幸せは一つでないと、多様性を認め、子供の未来に投資することで素晴らしい社会をつくる手助けができればと思います。

 

ご一読有難うございました。

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