はじめに
今回はこちらの記事を参考にお話をさせて頂きます。
LookとShow。新製品から見えるAmazonの3つの戦略。 – Scrum Ventures : Scrum Ventures
Amazonの新商品の構想についての話ですが、今後のAmazonの戦略を考えるうえでもとても参考になりました。
Echo Look:女性向けファッション支援カメラ
若い女性向けのカメラ付きEchoとのこと。
こちらの主な機能は下記の内容になります。
- ファッションチェック
- ファッションセルフィー
- スタイル提案
- 洋服記録
- Echo基本機能
女性誌の「丸の内OLの1週間着こなし」を個人個人に適したアドバイスをAIがしてくれるサービスです。
Echo Show : モニター付きEcho
もう一つが「Echo Show」です。こちらは、モニターがついた「見せる」Echoです。
主な機能は下記の内容です。
- 動画視聴
- ビデオチャット
- スマートホームモニター
- Echo基本機能
こちらの最も重要な新機能は、コミュニケーション機能になります。
同じ端末をもっていれば、ライブチャットが簡単にできる点に強みがあります。
新製品から見えるAmazonの戦略
これらの商品からAmazonの戦略が見えてきます。
1つ目は、「ファッションライフサイクルの全取り」です。
Echo Lookを顧客が使うことで、いままで商品を買った人がどのようなコーディネートで着こなしているのか、どのようなアイテムと組み合わせているのか、着用回数は何回か、といった情報をすべて把握することも理論上は可能になります。
Amazonはファッション分野が弱いと日本では考えられていますが、これらの情報を用いることで、今までにないデータ分析が可能になると思われます。
例えばですが、オンデマンド生産を組み合わせた、個人に向けたAmazonファッションのオーダーメイドサービスなどが考えられます。
ある意味、アパレル企業は顧客が買ってくれるのかは運しだい、という側面が強いですが、顧客の情報を一括して把握しているAmazonは、その精度を圧倒的に高めることが出来る可能性があります。
2つ目は、コミュニケーション分野への進出です。
Amazonはソーシャル分野のサービスは強くないですが、ライブチャットの利用によるコミュニケーション業界への足掛かりになることも予想されます。
現在のyoutuberのような人たちも、面倒な動画撮影よりも手軽なライブチャットを利用する可能性もあります。
3つ目は、家庭内画像の入手です。
こちらは可能性としては最も低いと思われますが、各家庭の各部屋にAmazonのカメラが用意されているということは、その画像を入手もできると著者は述べています。
理論的には、わざわざ購入手続きをしなくても、カメラの画像でハンドソープが切れていることが分かれば、AIが自動的に注文をしてくれるサービスも考えられます。
さいごに
今回ご紹介したAmazonのツールは下記の動画でもご覧いただけます。
あくまで出荷はしておらず、構想のみですがAmazonの今後の戦略が一部見て取れると思います。
先日の企業研究でも述べましたが、「消費者はネット購入においては信頼できるサイトを利用する傾向が強い」です。
上記のようなプライバシーの危険性もあるサービスにおいては、圧倒的な信頼があるAmazon以外は実現は難しいとも考えられます。
私もいきなり上記のサービスを利用するとは考えにくいですが、一度利用したらすべてAmazonに依存するようになると思います。
Amazonの全取りの戦略はとてもパワフルで、若干怖い面もありますので、これからも企業研究をしていきたいと考えています。
ご一読有難うございました。