はじめに
今回はこちらの記事を参考にさせていただき、お話をいたします。
私はアパレル企業に関わりがあるため、関心のある分野です。
アパレルの生産は途上国での手作業のイメージが強かったですが、繊維機械の発展とその需要の変化について興味深い記事でした。
好調な繊維機械受注
2014年以降の受注高は増加を続けており、2016年は前年比31%増と大幅に増加した。国内需要は全体の5~6%程度だが、海外需要の活況を受けて国内メーカーも受注を伸ばしている。(記事より抜粋)
日本は繊維機械の輸出で有力な国の一つだそうです。
その中でピックアップされているのが、タイトルにもある「島精機製作所」です。
こちらの会社は横編みの編機メーカーだそうです。
お洋服にもさまざまな種類があり、織物か編み物か、経編か横編みか、でもまったく別物といっていいほど生産方法が違います。
島精機製作所は横編みなので、セーターやカーディガンにイメージされる、ニット関係の機械を生産されているみたいです。
その繊維機械の中国、ASEAN向けの輸出で島精機製作所は伸びているようです。
変化するアパレル生産国
アパレルの生産については、以前は中国が圧倒的なシェアを占めていましたが、近年ではファストファッションを中心にASEANの生産が非常に増えています。
特にインド、トルコ、ベトナム、ミャンマー、バングラデシュの製品は皆様も手にしている機会も多いと思います。
高機能な繊維機械の需要の拡大
ファストファッションのビジネスモデルの特徴として、トレンドの商品を短いリードタイムで生産し、即店頭に投入することで売り上げを高める点があります。
そのファストファッションブランドに納品するOEMメーカーにとって、高機能な繊維機械は、リードタイムの短縮と、高付加価値商品の企画という面でメリットがあります。
特に島精機製作所のような、コンピューター制御型の機械需要は伸びていくだろうと著者は述べています。
アパレルのオンデマンド生産
ファストファッションのような、低コストの生産拠点で大量のロットを生産するモデルと異なり、消費地で生産する高付加価値モデルも増えているそうです。
消費地で生産する高付加価値モデル=オンデマンド生産 というそうですが、少ないロットで、価格が高くても購入する顧客向けの商品と言えます。
最も分かりやすいのが、オーダーメイド(顧客のサイズや要望に一つ一つ答えて、オンリーワンの商品を作る手法)です。
Amazonはオンデマンド生産製造システムの特許を取得し、この分野に乗り出しています。
アマゾンニュース|オンデマンド製造システム特許取得でアパレルに意欲? | 流通スーパーニュース
特許申請にあたり、Amazonでは、「顧客の注文に応じて、印刷し、カットし、製造し、品質検査する。そして電子商取引システムに登録するために画像撮影されて、顧客に出荷される。どこのエリアからの注文なのかを集約することで、アパレル組立プロセスを大規模に調整できる。アパレル製造の効率化を図る新しい方法が提供できる」としている。(記事より抜粋)
この方法であれば、顧客一人一人に合ったものを、短いリードタイムで提供できるため、少子高齢化の先進国で伸びていくと予想できます。
さいごに
アパレル企業自体の業績はよくないですが、繊維機械の輸出は好調というのは驚きでした。
確かに、ユニクロやH&Mのタグを見ると、中国製以外のものも増えているように思えます。
また、Amazonのように、オンデマンド生産による高付加価値アパレルに参入している企業もあるということなので、今後もこの話題は追っていきたいと思います。