こんにちは。@effect_snowballです。
kindleでセール中のこちらの本のレビューを書かせていただきます。
kindleのあらすじはこちらです。
雇用も不安。年金も不安。長生きすることも不安。「貯蓄から投資へ」と号令をかけられても、なかなかそんな気になれない。そもそも投資に回すお金もない…。そんな方にお勧めなのが「長期積立投資」。何歳からでもスタートできる。少額でコツコツ、ゆったり、争わない、ハラハラしない。でも、しっかり資産形成できる投資術(草食系投資)を、独立系投信の三傑が指南します。
投資についての基礎知識
投資に対してネガティブなイメージを持っている人は、投資というのは相場を読んでお金を動かし、「勝った、負けた」と一喜一憂するものだと思っているかもしれません。しかし投資には「勝った、負けた」とはまったく別の世界があります。経済活動の中に自分のお金を参加させ、お金に働いてもらい、経済成長の成果をリターンとして受け取る──これが「長期投資の考え方」です。リターンを受け取るのが1年後でも10年後でも30年後でも、この考え方に則って行う投資はすべて「長期投資」といえます。
た、日本では、学校でお金についての知識を教わる機会がほとんどありません。B夫さんのように「投資をする意味がわからない」という人は圧倒的多数ではないかと思います。 しかし、「投資をする意味がわからない」という人に考えていただきたいことがあります。それは、「預金と保険だけで本当にいいのか」ということです。 節約を意識することは確かに大切です。ですが「預貯金は安全」「保険に入っておけば安心」といった考えを持っているとすれば、それは典型的な誤解です。
まず、今や預貯金だけで資産形成をするのは難しいことを認識しなければなりません。 日本では少子高齢化が急速に進み、年金など社会保障費の増大が問題になっています。現役世代が将来受け取れる年金額の減少は避けられません。多くの人にとって、老後に向けた資産形成は避けて通れないといえます。 一方で、日本では長年にわたり超低金利が続いており、預貯金でつく利息は雀の涙。つまり、預貯金ではお金を貯めることはできても、増やすことはできないのです。
仮想通貨のブームでも同じですが、短期のトレードで利益を出すのは「投資」ではなく「投機」に近い行為です。初心者が相場を読んで適切なタイミングで売買をすることは非常に難しく、ほとんどの場合は負けてしまいます。
少しずつでも預金から投資にお金を回し、徐々に資産を増やしていくことが資産運用で最も重要なことです。
販売会社の思惑に乗らないように注意
資産運用ファンドを経営しているため、業界の悪い部分についての指摘も書かれています。顧客のためよりも販売会社の利益優先の「毎月分配型ファンド」の内情も書かれています。
日本の投資信託の資産残高上位のものを見てみると、ほとんどが「毎月分配型」です。 毎月分配型投信とは、収益の決算を1カ月ごとに行い、そのたびに分配金を出す投資信託のことをいいます。シニア層を中心に、これまで非常に高い人気を集めてきました。「年金やお小遣いのような感覚で毎月お金が受け取れますよ」という言葉がシニア層には魅惑的に聞こえやすく、販売会社としてはとても売りやすい商品だったからです。
しかし毎月分配型というのは、そもそも長期の資産形成には不向きなものです。せっかく出た利益をその都度吐き出してしまっては、第1章で説明したような「複利効果」を得られなくなってしまいます。場合によっては、元本まで食いつぶして分配しています。それに、分配ごとに20%の税金が天引きされてしまうのです。 「少額からでも、長期で資産をゆったり作っていこう」という草食系投資をやりたい人にとっては、毎月分配型投信は選択肢になりません。
しかも毎月分配型って信託報酬も高い傾向にありますし、分配金がファンドの元本を毀損してしまっていることも多々あります。銀行や証券会社の窓口に行くと高確率で勧められますが買わないように注意しましょう。
金融庁が本気の改革を目指した「積立NISA」
販売会社の利益搾取の風土は金融庁でも問題視されており、投資信託の会社に厳しく指示を出し続けています。
ちょっと長いですが良い話なので引用しますと、
2015年に就任した森信親金融庁長官は、「顧客本位の業務運営」を行うよう金融機関に要請してきました。それでもなかなか変化の兆しが見えない中、2017年4月に「日本の資産運用業界への期待」と題して行われた講演で、森長官は改めて、金融機関に対して非常に厳しくストレートな言葉で意識改革を求めました。
私は、ここ数年、金融機関に対し『顧客本位の業務運営』をしてくださいと一貫して申し上げてきました。企業が顧客のニーズに応える良質な商品・サービスを提供し続けることが、信頼に基づく顧客基盤を強固なものにし、供給者である企業の価値向上につながることは、金融機関のみならず、およそ全ての企業に当てはまる原則だと思います」 「しかしながら、現実を見ると、顧客である消費者の真の利益をかえりみない、生産者の論理が横行しています。特に資産運用の世界においては、そうした傾向が顕著に見受けられます」 「何故、長年にわたり、このような『顧客本位』と言えない商品が作られ、売られてきたのでしょうか? 資産運用の世界に詳しい方々にうかがったところ、ほぼ同じ答えが返ってきました。
日本の投信運用会社の多くは販売会社等の系列会社となっています。投信の運用資産額でみると、実に82%が、販売会社系列の投信運用会社により組成・運用されています。系列の投信運用会社は、販売会社のために、売れやすくかつ手数料を稼ぎやすい商品を作っているのではないかと思います。これまでの売れ筋商品の例をみても、ダブルデッカー等のテーマ型で複雑な投信が多く、長期保有に適さないものがほとんどです。こうした投信は、自ずと売買の回転率が高くなり、そのたびに販売手数料が金融機関に入る仕組みになっています。
「皆様は、こうした状況をいつまでお続けになるつもりですか? 投資商品を買たビジネスのやり方は国際的に競争力を高めていけるのでしょうか?」 (2017年4月7日、日本証券アナリスト協会第8回国際セミナー「資産運用ビジネスの新しい動きとそれに向けた戦略」における森金融庁長官基調講演)
こうした改革の流れの中生まれたのが積立NISAです。
積立NISAは年間40万以内の投資運用益が20年間非課税になる制度です。しかも積立NISAの対象になる投資信託は金融庁が長期積立投資に適しているか審査をして残ったものに限られます。
金融庁はつみたてNISAの対象となる商品を限定しています。これまで業界で売れ筋だった毎月分配型などの商品、手数料が高い商品は、つみたてNISAの対象外です。長期投資に向かないと考えられるものが排除されたことで、つみたてNISAを利用するメリットが大きいものになります。
少ない金額からでも始められる積立NISA
年間40万なので1か月3万ちょっとの金額が積立NISAの上限ですが、これ位だったら何とか捻出できる方も多いと思います。
しかも積立NISAが使える投資信託は毎月分配型ではなく、運用益を更に投資に回す「再投資型」なので複利の効果も最大限に生かせます。
積み立ての魅力についてしっかり説明しておきたいと思います。 積み立てのメリットとしてまず知っていただきたいのは、「複利効果」です。 たとえば、22歳から60歳まで、20代では月1万円、30代で月3万円、40代で月4万円、50代で月5万円を積み立て、①タンス預金 ②定期預金(想定利回り年0・8%) ③投資信託(想定利回り年5%)で運用したとします。
すると、60歳のときの積み立ての結果は、利回りがまったくないタンス預金の場合には1536万円です。一方、投資信託では年率5%の利回りで運用できたら、60歳には3092万円になります(コスト控除後。ひふみ投信のコストでの場合)。なんと、タンス預金に比べて1556万円もの違いが出ています。これこそ「複利効果」の力です。 なお、「複利効果」の力は投資の期間が長ければ長いほど大きくなります。ですから、積み立てはとにかく「早く始めること」が大切です。シミュレーション結果でも、「20代の毎月1万円」が土台になって、後になってじっくり生きてきています。
タンス預金と定期預金の利回りは大きな差がないので、銀行預金をしていた場合と年率5%で運用した38年間後の金額は倍以上に変わってきます。
早ければ早いほど積み立てる金額は少なくても良いですので若い人こそ積立NISAを利用するのをおすすめします。
他にもひふみ投信の藤野さんの「伸びる企業の見極め方」など面白い話も書かれていますが、少し長くなってしまったので違う記事で書くことにします。
2018年も1か月が経ちましたが、まだ投資を始めてない方は是非本書を読んで積立NISAをスタートしてみてください。
20年後に資産を5000万にして労働から卒業することも大いにあり得ますので早めに始めましょう‼