学生のときに読んでおきたかった本でした。
ノウハウよりも自分の考えを育てることが大切
コピーライターの方の書籍ですが、「伝わる言葉の使い方」みたいなノウハウは少なめです。それよりも「自分の考え方を深め、育てること」ことの大切さが書かれています。
思っていることを自在に話す術を得たとしても、話したり書いたりする中身が変わるわけではないため、逆に「何だか嘘っぽい」「口先だけな気がする」という印象を持たれる可能性すらある。 その一方で、言葉少なであったり、決して流暢でなくとも、「この人の話していることは信用できる」「妙に惹かれる」と思われることもある。そのため、言葉の技術だけが伝わり方や心への響き方に影響を与えているわけではないと言えよう。
「そもそも言葉とは何なのだろうか?」という本質的な課題に向き合うようになった。 そして、1つのシンプルな結論に達したのだ。 「言葉が意見を伝える道具であるならば、まず、意見を育てる必要がある。
何かを表現する前に自分の中の意見を見つめて育ててあげる。確かに人の受け売りの言葉ってなかなか上手く伝わらないですよね。就活のときに知りたかった…。
自分の考えを育てるステップとは
自分の意見を深め、育てるステップの紹介されています。
- まずはテーマについての考えを書き出す。まとまってなくても重なっていてもかまわないのでドンドン「内なる言葉」を頭の外に出すことが大切。このときにポストイットを使うのがコツ
- 書き出された「内なる言葉」を分類ごとに分ける。分類の仕方は自由です
- 書き出されたものに対し、「なぜ?」「それで?」「本当に?」と質問を繰り返して自分の考えを拡張していく。人は思っているよりも偏った考え方をしてしまうので、思考の方向性は柔軟にして意見を増やしていく
モヤモヤと頭の中で考えるよりも、外に出すことが大切なのは実感できます。「意外と自分ってこの考え方に偏っているな」と客観的に把握できると思考の癖が減って、バランスよく物事をとらえることができます。頭の外に出すと自分が大して考えてないこともよく分かりますよ笑。
伝わる話し方の型がある
自分の考えの育て方のあとは、実際に伝わる話し方について説明がされています。大切なのはまず基本的な型を覚えて応用していくことです。
具体的には、
- 例えて言う
- 繰り返す
- 言い切る
などなど。興味のある方は本書の後半部分を読んでみてください。
私が気に入ったのは伝える言葉を作るときの心構えについてです。
女性をターゲットとした商品のコピーを考える際に、「全ての女性から共感を得られるようにしよう」と考えて言葉を生み出したところで、いい結果を得ることはできない。むしろ、より多くの人に伝えようと思えば思うほど、誰の琴線にも触れることのない言葉になっていく傾向がある。 その理由は明確で、誰1人として「平均的な人」などいないからである。 日本人の平均的な好みやタイプは統計上計算できるかもしれないが、平均的な日本人という人物がいるわけではない。平均はあくまでも平均でしかなく、様々な個性を持った個人の平均値に過ぎない。同様にして、平均的な30~40代の女性なども存在しないし、平均的な社会人も、平均的な主婦も存在しない。
誰にでも好かれる言葉って響かないですよね。「みんな違ってみんな良いでしょう!」みたいな…。
最初はいけ好かないけど良書でした
実はこの本、読み始めて少し経つと上から目線な言い方が気になっていけ好かない印象でした。電通ってところもなんかあれですよね…。
でも読み進めていくうちに「あ~本気でこの人は伝え方を考えているんだな」と思えてきます。
kindleのレビューも評価高かったです。
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